各会計決算特別委員会の記録での河野ゆりえ都議会議員の質問

平成20年10月24日 第3分科会(第4号)

河野委員

 質問します。最初に、「十年後の東京」に関連して伺います。

 二〇〇六年の十二月、都は、成熟を遂げた都市の可能性を世界へと銘打って、新たな都市戦略として「十年後の東京」を発表しています。その後、昨年の十二月に、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八を出しました。水と緑の回廊に包まれた、美しいまち東京、世界で最も環境負荷の少ない都市を実現、災害に強い都市などの言葉が並んでいます。都民に示しているようなこの東京のまちづくり、どのように進められているのか、都の今の状況について伺っておきます。

安井都市づくり政策部長

 都市整備局では、「十年後の東京」に掲げました施策のうち、美しい都市景観の創出、三環状道路の整備、環境負荷の少ない交通ネットワークの整備、都心部の機能更新に合わせた緑化や環境負荷の低減、防災都市づくり、建築物の耐震化などを所管してございます。

 昨年策定いたしました実行プログラム二〇〇八の中で、これらの事業について三カ年の事業展開の方向を明らかにして、「十年後の東京」の実現に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。

河野委員

 「十年後の東京」では、道路インフラの整備、とりわけ首都圏央道、外環道、首都高速中央環状品川線の三環状道路の整備促進が強調されております。首都圏央道は、貴重な高尾の自然環境を破壊してしまうと、長い、強い都民の反対運動があります。外環道についても、必要性のない巨大道路建設という声があり、生活環境と自然破壊を招くことが指摘されています。

 昨年度の末に、三環状道路の中で中央環状品川線のシールド工事契約がされて、品川区大井の立て坑工事とあわせて本格的な事業着手がされました。事業は建設局が進めていますけれども、品川線の建設についても、沿線住民から自動車排ガス換気所の建設を初めさまざまな角度から生活環境が悪化するという意見が上がっていますが、東京都はこの声にきちんとした対応をしないままで建設費の半分を都が負担するという形で事業を行っております。

 そこで伺いますけれども、石原知事は、「十年後の東京」で、二〇一六年にオリンピックを招致するために東京の成長のステージを上げるとかいっています。三環状の道路を促進するともいっています。三環状道路をつくることが、なぜCO2の排出を減らし、世界一環境負荷の少ない都市東京の実現につながっていくのか、この点、私はどうしてもわかりませんので、ご説明を求めておきます。

遠藤外かく環状道路担当部長

 三環状道路整備とCO2の削減でございますけれども、都内の二酸化炭素排出量についていいますと、総排出量の四分の一は運輸部門が占めておりまして、そのうちの九割が自動車に起因するものでございます。三環状道路を初めといたします骨格的な幹線道路ネットワークを整備することは、適切な経路選択を可能とするとともに、渋滞の解消によりまして旅行速度の向上が図られることになります。こうしたことを通じまして、二酸化炭素排出量の削減につながるものというふうに私どもとしては考えてございます。

 なお、国が試算したところによりますと、三環状道路の整備によりまして、圏央道内側の一都四県におきまして、年間二百万トンから三百万トンの二酸化炭素排出量の削減効果がある、このようにされているところでございます。

〇河野委員

 私も国土交通省に行って、この二百万トンから三百万トンのCO2の削減、根拠を聞きましたけれども、国土交通省の担当課長さんたちは、具体的に数値としてこうなりますということをお示ししていただくことはできないということもありましたので、いっておきます。

 高速道路をふやすことがCO2の排出削減につながるのか、私はもっときちんとした調査研究が必要だと思っています。走行速度が低くなるとCO2は確かに多く排出されますけれども、逆に時速六十キロを超えて八十キロぐらいになると、また排出量は増加するのです。走行速度とCO2の排出量は、いわゆるこういう放物線のグラフをかく関係になる、これは国土交通省も出している資料の中で明らかになっておりますので、なお研究のほど、東京都が行うべきだということを申し上げておきます。

 環境負荷が少ない都市づくりの関係で、超高層ビルについても伺っておきます。

 東京都は、国の法律を受けて、現在八カ所の都市再生緊急整備地域を指定し、大規模な開発、都市づくりを進めています。都市再生緊急整備地域内には、これまで百メートルを超える高さのビルが幾つ建設されてきたのか。そのうち平成十九年度に建設されたものは何棟あるのか。また、今後予定されている百メートルを超える高さのビルの建設計画がどのような状況なのか、お聞きします。

〇安井都市づくり政策部長

 緊急整備地域指定後におきまして平成十九年度までに竣工した高さ百メートルを超えるビルは合計四十三棟、このうち平成十九年竣工のものは十七棟でございます。

 今後の計画でございますが、平成二十年三月三十一日までに建築確認済みの建築物で平成二十一年度までに竣工する見込みのものは十九棟でございます。

〇河野委員

 都市再生緊急整備地域内だけで見ても、二〇〇七年度は棟数で約四割、延べ床面積で四九・五%、約五割を占める超高層ビルが建ったことが、今のご答弁でわかりました。大規模な開発が相当促進された年度が昨年度だったのだというふうに認識をいたします。

 超高層ビルの建設は、建設残土や建設廃材などの廃棄物を大量に発生させます。建ち上がったビルからのCO2排出も膨大です。首都圏央道の工事現場、ここも私、見に行きましたけれども、あきる野市では、谷合いの緑地に鉄とコンクリートの橋が数多くつくられて、中央高速のそばの工事現場でも巨大な換気所が建設されていて、本当に緑が削られ、自然が破壊されている、そういう状況を目の当たりにしてまいりました。こういう事態を見ますと、環境負荷が少ない都市東京とは到底いえない、そういう方向が目指せるんだろうかということで、とても疑問でした。

 ところで、伺いますが、昨年からことしにかけて、IPCC、気候変動に関する政府間パネルが連続して調査結果を発表しています。また、ことしの七月には北海道で洞爺湖サミットが開催されて、地球温暖化防止に向けてCO2排出を大幅に減らすことがサミットの最大の議題になりました。東京都は、CO2排出増による温暖化、これとあわせてヒートアイランド現象という二つの温暖化の改善が必要になっている点では、他の都市とは違う重い課題に直面していると思います。

 東京のまちは、九十九里浜からの東北東の風、それから、東京湾の海風、相模湾からの西南の風と、三方向からの風がぶつかり合う位置に置かれています。二十三区内に超高層ビルがたくさん建って超過密な都市になってしまったことで、この三つの方向から入ってくる風が都心部の熱い大気を西側に運ぶ動きをつくって、練馬区とか世田谷区とか区部の西部地域に集中的な豪雨を降らせる、そういう原因になっていることも解明されてまいりました。これはNHKの「クローズアップ現代」など、こういう番組でも紹介されています。この夏も、ゲリラ豪雨という言葉が生まれるほどの大量の雨が区部西部や多摩地域を襲っています。熱帯夜や真夏日もふえ続けています。

 東京の気候にこういう変化が起きているのは、これまで経済活動最優先で巨大な開発を進めてきた東京のまちづくりのあり方に原因があるのではないか、こういうこともいわれていますが、東京都は、こうした問題についてどういうご見解をお持ちでしょうか。

〇安井都市づくり政策部長

 東京が環境と調和した国際競争力を有する都市であり続けるためには、先ほどご説明もありましたが、外環など三環状道路を初めとする都市施設の計画的な整備や、都市活動が集中する都心部の更新が不可欠でございます。例えば、都心の更新で申しますと、都心再生特別地区など大規模開発を対象に最高水準の省エネ技術の導入を図る取り組みを開始しておりまして、環境負荷の低減に努めております。

 今週開催されましたC40気候変動東京会議では、東京の先進性や技術力を生かした都の進めている都市づくりを紹介するとともに、昨日は、世界三十二都市とともに、省エネ型都市づくりの推進を十三項目のトップに掲げる共同行動を決定しております。このような共同行動の決定も念頭に置きつつ、今後もこれまでと同様、都市の機能更新を適切に進め環境に十分配慮した都市づくりを進めてまいります。

〇河野委員

 最先端の技術を導入した超高層ビル、今いろいろいわれております。省エネ対策を十分進めているから環境負荷が少なくなるとかいわれていますが、それだけで果たしていいのだろうかという思いも私たちはしています。

 これまで私たちは、東京の二つの温暖化を改善する上で、幾つもの提案をしてまいりました。クールランド、クールスポットと呼べるようなゾーンを確保すること、そのための都立公園などの増設でCO2を吸収し、地表面の温度を下げる、そういう役割を果たす緑を思い切ってふやすこと、自動車交通に依存しない公共交通網の整備、それから、CO2排出を増大させるような大型幹線道路や超高層ビルの建設は抑制し、都市の成長を管理していく、そういう政策をもって都市計画をつくることが必要、こういうことを申し上げてきましたけれども、今、温暖化防止、強くいわれている中で、まちづくりについて、こうした大事な課題、私たちは認識しておりますが、都はどういうご認識をお持ちでしょうか。

〇安井都市づくり政策部長

 都は、これまでも都心部などで、保水性舗装や屋上緑化、都市開発を進める中での風の道の確保など、ヒートアイランド対策に取り組んできてございます。先ほどと同様の趣旨の答弁になりますけれども、今後も都市開発に伴う環境負荷の低減を図りつつ、高度な都市機能を備えた東京の実現を推進してまいります。

〇河野委員

 これからも環境負荷の少ない都市東京を頑張るということで、幾つかの例は示されましたけれども、風の道についていえば、私たちも学者さんに聞いてきましたけれども、川沿いに海風が入り込んで、そこが涼しくなるというのはあるんですが、東京のまち全体、全面的に冷やす効果はなかなか難しいという説もあります。都内全域が温まっている中で、川沿いの隅田川とか目黒川とか、その沿線だけが冷えていくということは、全体の都市の冷却化、クールランドというような状況をつくり出すという点では、まだ研究課題であるし、力としては弱いんじゃないかといわれていますので、この点もご研究をお願いしておきたいと思います。

 私は、東京の都市計画、まちづくりについて、この場でぜひ意見を申し上げておきたいと思います。

 世界では、都市の成長を管理し、環境に配慮したまちづくりを進めることが重要視されております。イギリスのロンドンでは、一九三〇年代から、セントポール大聖堂の眺望を妨げるような高層ビルは認めないという規制が続いていますし、最近出されたロンドンプランでも、超高層ビルの建設は限定されたところしか認めないということが広く知られています。東京の都市計画とは大きな違いがあるのではないでしょうか。スウェーデンでは、将来のあるべき姿を想定して、それに基づいて、今、何をしたらよいのか判断するというバックキャストの考え方が基本になっていると聞いています。

 比較して、「十年後の東京」の最大の柱は、二〇一六年東京オリンピック招致、ここにあって、そのために三環状道路を初めインフラ整備を行っていくことを最大の目標にする。その一方で、環境対策などは実際は後回しにされている。こういうことが起こっているのではないでしょうか。スウェーデンのように長期ビジョン年次から方向を検証しながら社会を変えていくというバックキャストの考え方が、持続可能な都市づくり、環境と福祉を尊重した都市づくりになっていく。そして、東京がこれまで進めてきた、経済効率と大規模開発を優先して、都民の福祉や暮らし、環境を後回しにする、そういうことを今切りかえて、都市のあり方、それから、都市計画のあり方を世界の流れの方向に見直していくということが必要になっている、このことを申し上げておきたいと思います。

 次に、区画整理の問題について伺います。

 これまでの今伺ってきた都市再生という路線のもとで後景に置かれてきた分野が幾つかありますが、その一つに周辺区部の区画整理事業があります。汐留や秋葉原などの大街区区画整理にはふんだんに予算が投入されてきましたけれども、区部周辺の都施行区画整理の予算はかなり抑え込まれてきました。現在、区部周辺事業として、第一区画整理事務所、第二区画整理事務所で五つの地区の事業が進められています。その中で、資料、七ページですね、出していただきましたけれども、進捗率が低い足立区六町地区と江戸川区瑞江駅西部地区の事業を中心に質問をいたします。

 まず、この二地区の二〇〇七年度の予算、決算の状況と、事業の進捗状況についてご説明ください。

〇座間市街地整備部長

 瑞江駅西部地区及び六町地区についての執行状況等についてでございます。

 要求資料にも記載してございますけれども、瑞江駅西部地区につきましては、施行面積が約三十ヘクタールでございまして、平成十四年度から建物などの移転に着手しております。平成十九年度末時点での進捗状況につきましては、事業費ベースで三六%となっております。平成十九年度は四十二億の予算現額で、百二十八棟の建築物移転及び宅地造成工事を進めてまいりました。決算額は三十九億円となっております。

 また、六町地区につきましては、施行面積が約六十九ヘクタールで、平成十三年度から建物などの移転に着手しております。平成十九年度末時点での進捗状況は、事業費ベースで二六%となっております。平成十九年度は四十二億円の予算現額で、六十三棟の建物移転及び宅地造成工事を進めてまいりました。決算額は三十六億円となっております。

〇河野委員

 今示していただきました進捗率を見ると、二つの地区、なかなか厳しい状況にあるなと思います。これまで都は、住民に示した事業完成年度、これは必ず守るということをおっしゃってきました。資料によれば、六町地区は、施行面積六十九ヘクタールで、ここの権利者は二千三人、そして進捗が今のお答えのように二六%。それから、完成年度については平成二十八年度といわれております。完成年度まで計算すると、ことしを入れても九年しかないわけですね。瑞江駅西部地区は、平成二十五年度の完成予定で、進捗率は今三六%です。

 この到達では、都は住民との約束がきちんと果たせるのかということで、たくさんの人が疑問を持っているんですが、事業を進捗させるには、まず予算の確保、これが欠かせません。それから、きちんと計画的に取り組むということも必要です。予算の確保の見通し、それから、移転などがスムーズに進んで、具体的に見える形で住民の皆さんへの取り組み計画を示していくことが必要だと思うんですが、完成年度との関係で、納得のいくようなご説明で、この事業、きちんと住民の方々へ、二十八年度、二十五年度、それぞれの地区、守れるのかどうか、お示しをいただきたいと思います。

〇座間市街地整備部長

 瑞江駅西部地区、六町地区の両地区につきましては、ただいま委員ご指摘のとおり、それぞれの完成年度が二十八年度、二十五年度となっておりますけれども、この両地区とも、当初、地元の合意形成にかなり時間を要したことは事実でございますけれども、瑞江駅につきましては平成十四年度、六町地区につきましては平成十三年度に移転工事に着手をしておりまして、それ以降は実施計画に基づきまして順調に事業が推進していると考えております。

 引き続き、適正な予算の確保に努めながら、両地区の事業施行期間内の完了に向けて計画的に事業を推進してまいります。

〇河野委員

 本当にその点、完成予定の年度が迫ってきている中で、今おっしゃった答弁、守っていただけるようにご努力をお願いしておきたいと思っています。

 昨年の都市整備委員会でもお聞きしましたけれども、この間、区画整理事務所の職員が減っていて、いろいろ住民の方々への影響も生じています。補償金の手続などにおくれが生じていると意見が寄せられてきています。第一区画整理事務所、第二区画整理事務所、二つの事務所があるわけなんですが、ここの職員の配置数の推移についてお聞きしておきます。五年前と現在の職員数の比較、お示しください。

〇座間市街地整備部長

 各区画整理事務所の人員の配置状況でございますけれども、五年前といいますと平成十六年になりますが、第一区画整理事務所では、平成十六年度が九十二人、平成二十年度が八十一人でございます。また、第二区画整理事務所では、平成十六年度が百二人、平成二十年度が九十四人でございます。

〇河野委員

 ということは、第一区画整理事務所は五年前と比べて十一人の減員、第二事務所のほうが八人の減員ということになります。

 これは瑞江駅西部の例なんですけれども、数年前に移転が完了した人は、移転するときの数カ月前に補償金の額が示され、そして話し合いが行われて、三カ月前には合意に達して、書類に印鑑を押して、そして移転の準備が始められたというんですね。アパートを借りるお金なども移転補償金の中できちんと手当てがついたというふうに聞いています。

 ところが、今は手続がおくれて、移転補償金が移転時には入金にならないということもあったり、引っ越しの費用、入居先の家賃負担など、もろもろの費用を全部自前で調達しなくてはならなくて、本当に困っているというお話も聞きます。区画整理事務所の職員は直接住民の方々の財産や生活にかかわる大事な役割を持っているのですから、住民生活に支障が起こらないよう、適切に職員を配置すべきだと考えます。今のような状態を改善するためには、職員の増員を図ることを初めとして、必要な対策、いろいろな形で講ずることが求められていると思いますが、この点でのご認識はいかがでしょうか。

〇座間市街地整備部長

 土地区画整理事業の実施に当たりましては、地元地権者のご理解並びにご協力を得ながら進めていくことが大変重要でございます。このため各事務所では、事業進捗状況に合わせまして効率的に職員を配置しております。今後ともきめ細やかな地権者対応ができるように、適切な執行体制や人員確保などに努めてまいります。

〇河野委員

 そういうふうに答弁ではおっしゃるんですが、実際にやっていただくとなると、これはなかなか大変なことだというふうに思います。せめて数年前に移転した人たちが手続上不安がなかったようなところにやっぱり戻していくというんですか、今おくれにおくれてしまっているような状況を改善していただくことが、事業をみんなが納得と合意の上で協力していく上で必要なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。

 資料を見ますと、例えば瑞江駅西部地区の施行期間ですけれども、さっき資料というよりもご説明で完成年度がいわれましたけれども、平成六年度から移転事業が始まったとか、いろいろいわれているんですが、実際に瑞江駅西部地区の区画整理事業が住民に初めて説明会が行われたのは昭和六十二年ごろで、一九八七年、今からちょうど二十年も前なんです。二十年間もこの間区画整理に住民の皆さんは縛られ続けながら生活をしていて、非常に精神的な負担感も重くなっています。

 委員会でこういうことをいうのはなになのかなと思いますが、瑞江の地域には瑞江の火葬場があるんですね。区画整理が済んで新しい家に入るよりも瑞江の火葬場に行った方が早いというようなことが、住民の間では本当に冗談のように話されています。足立区の六町でも、近くに谷塚斎場があるということで、そちらに行くほうが早いという声が聞かれているみたいで、同じ区画整理地区内に住んでいる住民同士がこういうお話をすると、私たちは聞いても客観的なお話として聞けるんですけれども、住民同士ですと、非常にそういう人たちのお話を聞くとつらいものを感じる、重たい気持ちになってしまうということがいわれているんです。

 こうした関係住民の方々の心の痛みや生活への不安感に、ぜひ施行者である東京都が思いを寄せて、円滑にきちんと事業の見通しも示して、進捗に努力を尽くしていただくこと、これを本当に強く私は求めておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、都営住宅の問題についてと、公社の関係について伺います。

 都営住宅の使用承継についてなんですけれども、昨年の八月に使用承継の要項変更があり、ことし四月からはまた見直しされて、今この見直した要項によって承継の許可と不許可の判断がされています。承継できるのは原則配偶者ということで都民の批判が強まって、東京都は障害者や家族の年齢構成などについては一定の要件緩和を行いました。しかし、親と同居の子どもは要件に該当しないと退去しなくてはなりません。

 最近、五十代半ばの都営住宅の居住者からの相談がふえています。長年親と一緒に一家の柱として頑張ってきたのに、名義人の親が亡くなったから出てくださいといわれるのは、家族として認めてもらえていない、こんな思いがしてつらいというふうな訴えがあります。八十代、九十代の高齢の親の介護をしながら生活してきた六十歳間近の居住者の多くは、経済的にも介護や医療にお金がかかってゆとりのない人が少なくありません。家賃が高い民間アパートにはとても移れない等、厳しい生活の状況を語っております。

 使用承継できる人たちの年齢の制限を、今定めている六十歳ではなく五十歳に引き下げるよう、私はこれまでも要望してきたんですけれども、次々と寄せられてくるこういう相談を聞くたびに、本当に必要な対策だと感じております。原則配偶者のみの許可条件を、もとのように一親等に戻すこと、これは大前提だと思います。都営住宅居住者から住宅難民といわれるような人たちを生み出してしまうことがないよう、せめて今できる承継の年齢制限を五十歳以上と緩和することを求めますけれども、どうでしょうか。

〇並木経営改革担当部長

 使用承継の年齢制限についてでございますが、使用承継制度は、都営住宅の入居は公募によるものとする原則の例外でございまして、入居者と非入居者間の公平性を確保し、対象者の厳格化を図る観点から、昨年八月より承継対象を原則として配偶者に限定しております。しかし、六十歳以上の高齢者については、居住の安定性や継続性に配慮すべきものとして、単身者でも都営住宅に申し込みができることや、倍率優遇により優先入居の対象とするなどの対応をとっていることから、これらの制度と同様の考え方に基づきまして、例外的に承継を認めているものでございます。

 なお、従来は、承継者が六十歳以上の高齢者であることに加え、同居者がいる場合は、同居者のいずれもが六十歳以上の高齢者または十八歳未満という要件を設けておりましたが、本年四月の運用の見直しにより、この同居者の年齢制限につきましては見直しをしてございます。

〇河野委員

 今ご答弁いただいたようなことは承知して申し上げているんです。

 病弱者の承継についてお聞きしておきます。

 この七月に名義人のお母さんが亡くなった五十七歳の女性は、十三年前に乳がんを患って三回手術をしています。順天堂浦安病院でホルモン療法の治療を受けて、ずっと生活しているんです。これは肝臓に大変負担がかかる治療ということで、今この人は体がだるくて仕事も十分にできないような体調です。六十歳少し前の一親等なので承継が認められないということを知ったときは、とても驚いたそうです。かかりつけの順天堂浦安病院の医師に相談をしましたら、病状を悪化させないためには現在の生活環境を変えないほうがよいということで、都営住宅への継続的居住を認めてもらえるように都立病院に紹介状を書いてくれたそうです。これを受けて都立病院に行ったわけなんですが、都立病院が書いてくれた診断書は、かかりつけ医の人が書いた病名などを書き写しただけというような内容のものでした。

 都市整備局は病院経営本部に、都営住宅の使用承継の仕組みを変えたときに、どういうふうな対応をされたのでしょうか。この使用承継の仕組みを、都立病院、公社病院の診断書が必要であるということや、病弱者と判断していくには、そこの診断書に限るということを周知した、このように私はこれまで聞いてきたんですけれども、本当にそうだったんでしょうか。この方が持参した都立病院の診断書を見る限り、都立病院等の医師にはその趣旨が伝わっていないということを感じました。病院経営本部との連携、医師への周知、これは一体どうなっているのでしょうか。

〇並木経営改革担当部長

 病弱者の承継についてでございますが、使用承継は原則として配偶者に限り認められる中で、病弱者の承継については、難病や公害病認定患者など特別な事情があると判断される場合に例外的に認められるものでございます。難病や公害病認定患者等以外につきましては、病名だけでは使用承継の対象者である特別の事情にあるものかどうか判断できないことから、本年四月の運用の見直しに合わせまして、都が設置した都立病院または都が中心となり設立した東京都保健医療公社が設置した病院の医師に的確に見ていただき、その医師の診断書を踏まえ判断することとしてございます。

 今回の承継制度の見直しに伴う診断書の取り扱いにつきましては、これまでも病院経営本部等を通じて周知を図ってございます。先ほど申し上げましたように、診断書は、あくまでも医師法に基づき医師が診察をした場合、求めに応じて個々の患者の病状を踏まえ適宜作成されるものでございますけれども、今後とも承継制度に必要な診断書が適切に取り扱われるよう、病院経営本部等と連携を図ってまいります。

〇河野委員

 的確に診断してもらうことが必要ということで、周知も図っているということをおっしゃっていますけれども、そうなのかなと思います。お医者さんの立場で考えれば、かかりつけ医の紹介状があっても、そう簡単には、今、部長がお答えになっているような診断書は書けないのではないでしょうか。何人かのお医者さんの意見を聞いてみましたけれども、患者さんを継続して診察していない医師が、都が要求するような診断書を書くこと自体に無理があると話しておられました。医療について認識していない人の発想じゃないかという厳しい評価をしていた方もいます。

 私が相談を受けているこの方も、都立病院の診断書の費用だけで五千円がかかっています。経済的な負担も大変なんですね。病弱者として認められる、そのためには、医師の診断書は、都立病院、公社病院の診断書に限るという今の要項をもう一回見直していただいて、かかりつけ医が書いてくれたものも認める、そのように改めるべきと考えますが、これはぜひお答えをいただきたいと思います。

〇並木経営改革担当部長

 ただいま申し上げましたように、病弱者の承継につきましては、あくまでも特別な事情があると認められる場合に例外的に認めているものでございまして、難病や公害病認定患者等以外につきましては病名だけでは判断できないということで、都が設置した都立病院等の医師に的確に診ていただきまして、その医師の診断書を踏まえ対応するということにしてございますので、そのように対応していきたいと思っております。

〇河野委員

 今のところ全くやる気がないことはわかりましたけれども、特別な例外がある場合というところが非常に微妙なんですね。私たちにはわかりづらいです。今度いつかの機会に、こういう場合が特別な例外ですということを示していただくような東京都の対応もお願いしておきたいと思います。

 次に、住宅供給公社が導入したコールセンターについてお聞きします。

 公社は、昨年末から、このコールセンターの設置に向けて準備してきたとのことですので、この決算委員会で伺っておきたいと思っています。

 都営住宅や公社住宅の居住者から、この間、何件も相談がありました。コールセンターに電話してもつながらない。オペレーターにつながっても、相談したい公社の担当につないでもらうにはとても時間がかかる。オペレーターが、わからないので後から電話しますといってもナシのつぶてだった。住所や氏名を聞かれるだけでなく、生年月日や住宅使用許可書の番号まで聞かれる、こういうことは本当に納得がいかないなどなど、苦情の内容はたくさんあります。

 都市整備局は、コールセンターについて一定の改善を公社に図らせたということを以前話されていましたけれども、改善されていないどころか、さらに不便さを感じる、そういう声が強まっているのが現状です。こうした状況を把握されておられるでしょうか。

〇並木経営改革担当部長

 公社のコールセンター、いわゆるお客様センターでございますけれども、これにつきましては、六月の開設当初には電話がつながりにくいなどの要望が居住者から寄せられたことから、都としては公社に対し、直ちに改善措置をとるよう指導してきました。

 これを受け、公社では、既に曜日や時間帯などに応じたオペレーターの適正配置や、電話の内容に応じた窓口への速やかな転送を行うことに加え、ノウハウを有する公社職員がオペレーターの電話対応を支援するなどの措置をとってございます。

 また、入居者番号等を聞かれるとのことですが、お客様センターでは、電話での問い合わせ等に際しては、居住者の個人情報保護のため、本人であることの確認を行うこととしてございまして、団地名や氏名のほか、名義人番号または生年月日等の確認について協力をお願いしているものでございます。

 居住者へのオペレーターの対応につきましては、都としてもこれまでも公社に対し、丁寧な対応を行うよう求めており、これを受け公社では、電話による対応マニュアルを整備するとともに、オペレーターに対する新規採用時の接遇研修に加え、採用後もフォローアップ研修などを実施しております。この結果、現在ではおおむね円滑に業務が行われているというふうに考えてございます。

〇河野委員

 参事のご答弁、円滑に進められているというんですけれども、そうだったら来ないでしょう、電話が、私たちのところへ。今週の月曜日に来ているんですね、長々と。こういうことで、こうで、こうで、こうでと説明されて。ここでいいませんけれど。だから、コールセンターが円滑に運営されているということはないということを、私はここで確認をしておきたいと思います。

 それで、もう一つ質問しておきますけれども、特に障害者の方、高齢者の方が不便を感じているんです。オペレーターのいっていることがわかりづらく、電話をしたくないという人、高齢者の方に多くいらっしゃいます。また、視覚障害者の人は、光電話、IP電話というんですか、そこからは直接コールセンターのところにつながらないで、別のところに記されているIP電話が通じる電話番号、それがあるわけなんですけれども、この電話番号の字が小さくて読み取れず、大変不便だったという意見も上がっています。

 こうした高齢者や障害者の人が困ったときに相談しづらいというコールセンター、円滑に運営されているなんてとんでもない話なんですけれども、いつでも困ったときに相談できる体制づくり、これは緊急につくり上げていただきたいと思いますが、このことについてご答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。ぜひ前向きなご答弁、お願いします。

〇並木経営改革担当部長

 お答えの前に、先ほどの答弁ですけれども、現在おおむね円滑に業務が行われているというふうにご答弁申し上げておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 それから、高齢者や障害者を含む居住者への対応でございますけれども、これについてはなるべくわかりやすく丁寧な対応に努めるよう、既に公社に対して指導してございます。

 お客様センターの連絡先の番号の案内については、既に「すまいのひろば」に大きな文字でわかりやすく電話番号を掲載することや、連絡先が記載されたステッカーを全世帯に配布するなどの対応を行ってきております。

 また、居住者の方が従来の窓口センターに電話した場合には、音声ガイダンスにより、用件に応じて最も適切なお客様センターの連絡先につないでおりますけれども、オペレーターに接続するまでの時間を短縮するなど、既に改善を図っております。

 さらに、居住者からの問い合わせ等に対するオペレーターの対応につきましては、先ほど説明申し上げましたように、オペレーターに対する研修体制の充実に努めております。

 都としては、今後とも高齢者や障害者を含む居住者に対する電話対応につきまして一層の向上が図られますよう、引き続き公社を適切に指導してまいります。

〇東野委員長

 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。

 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕