文書質問趣意書2003年3月7日

                         提出者  河野百合恵

小松川再開発事業と都市計画道路120号線建設に関わるまちづくりと地域商業の振興について

                                  

江戸川区の平井・小松川地域は京葉道路をはさんで南北に位置しています。
 南側の小松川地域は、
1960年代末に東京都の「江東再開発基本構想」による防災拠点地域に指定され、市街地再開発事業が行われてきました。京葉道路北側の平井地域は、街を南北に縦断して小松川に通じる都市計画道路120号線が、東京都施行で建設されました。この2つの開発事業によって街の様子が大きく変化し、商店街が深刻な影響を受ける結果になりました。

この地域は古くからJR平井駅から小松川地域へと連なる商店街が形成されていました。都市計画道路120号線の建設によって、ひとつのつながりになっていた商店街が分断され、その結果、平井の春日町通り商店会と笑和会商店会の一部、および小松川の勉強会通り商店会が、路線バスのルートからはずれ、客足が激減してしまったのです。商店主を訪ねると「人の流れが変わってしまい、困っている」「昔がなつかしい」と、衰退を嘆いています。

その一方で、2年後の2005年で再開発事業が完了する予定になっている小松川地域は高層住宅が建ち並びましたが、地域住民からは「住みよいまち、とは決して言えない」との意見が多く出されています。

私は、東京都が施行した再開発事業と都市計画道路建設によって街が大きく変貌し、商店街が衰退にいたった平井・小松川地域について、「住みよいまちに」と願っている住民要望に基づき、提言をふくめ、以下、質問します。

はじめに、小松川地域について伺います。市街地再開発事業によって、3ケ所の商業集積地域がつくられました。東大島駅前の「トニワン」の外、「パルプラザショッピングセンター」、「勉強会通り」です。不況の影響を受け、それぞれに、お店の営業に大変苦労しています。そのなかでも、平井の春日町通りとつながっている勉強会通りは、まさに「シャッター通り」というような実態になっています。勉強会通りの再開発ビル4棟には17区画の商業床がありますが、1994年の「決定の公告」から今日までまったく処分できない東京都の権利床が5区画残っています。少し離れたパルプラザショッピングセンター(1990年、決定の公告)には一度も処分されることなく、東京都が権利者になっている商業床が2区画あります。その上に、既に処分が決定した商業床でも、開店に至らない区画があるのです。いずれの商店会でも商店主達は、「空きっ放しの区画のシャッターが開かないのが一番つらい」と述べています。

東京都は、長年にわたって、都所有の商業床を処分できないままできました。商業床7区画が売却処分できた場合、合計で約41800万円が再開発事業会計に入ってくるのですから、長期間にわたって未処分のまま放置してきた東京都の責任が問われています。見解を伺います。

[都側の回答]
 小松川地域の商業施設につきましては、地元の商業権利者を含む商業施設検討委員会のなかで配置計画等を検討し、整備してきたものです。また、商業区画の販売にあたっても、同委員会と調整のうえ処分を行ってきました。
 未処分店舗床については、不動産業界のノウハウを活用し再公募を行うなど、販売の促進に努めています。


 その上に、商業床、計7区画分の管理費、修繕積立金、駐車場料金などを都が再開発ビルの管理組合に払ってきましたが、その負担は、1年間に519万円にのぼっています。負担は権利床が売れない限り毎年積算されていくのですから大変です。商業床だけでこれだけの負担ですから、未処分となっている東京都所有の住宅床、業務床などを合計すると、さらに多額の負担を都が負いつづけていることになります。東京都の失敗のツケに都民の税金を投入することは許されないと思いますが、どうですか。答弁を求めます。


[都側の回答]
 本再開発事業は、防災性の向上や地域の活性化等を目的に実施しており、防災公園や不燃建築物の整備により、安全で活力と賑わいのあるまちを整備してきました。

 再開発により整備された建物は、建物の区分所有等に関する法律に基づき、各々のビルの管理規約により適正に管理すべきものであり、都としては、保有している床について必要な費用を負担しているものです。

「都財政が厳しい」という理由で、都民のための大切な施策を次々に改悪、後退させている一方、まったくのムダ使いと言えるこのような事態が放置されている事態をどう改善して行くのか、お答えください。

[都側の回答]
 既にお答えしたとおり、本再開発事業は、防災拠点の整備等を図るため、進めてきたものです。未処分店舗床については、地元商業者や商業施設検討委員会等との調整を図りつつ、販売促進に努めています。


 小松川地域の住民からは「もっと買い物に便利な街にして欲しい」という要望が強く出されています。特に、生鮮3品のお店がそろっていないため、バスや自転車で、平井駅近くの商店街まで通っており、地域住民から、「小松川の街では、日常生活の用が足せない。」「自転車に乗れるうちは良いが、もっと年をとって身体が弱ったときのことを考えると、何よりも欲しいの生鮮物などの商店だ」と言われています。商店会からも、活性化を図っていくうえで生鮮3品の出店が望まれています。パルプラザショッピングセンターには、当初から魚屋さんのための区画が準備されていましたが、権利床が売却方式であるために、「水産関係者が何人か見にきたが、決断してもらえなかった」ということでした。商店会としても直接、魚河岸に働きかける試みもしましたが、結局、出店に至らなかったとのことです。

また、空き区画が多い勉強会通りでも同様に、権利床を購入しなければならないことが、出店者がみつからない原因のひとつになっています。

小松川の再開発事業にあたっては、東京都と地元商業者の間で店舗の規模や業種などについて合意事項が確認されていますが、適切に生鮮3品を中心にした出店を進めていく必要があるのではないでしょうか。東京都はどのようにお考えか、お答えください。

勉強会通りの都所有の空き区画には、一定の広さを持つところがあります。この区画を活用して、都が江戸川区や地元商店会と協議して「公設小売市場」の開設などについても検討を進めるべき時にいたっているのではないでしょうか。お答えください。

[都側の回答]
 本再開発事業は、地元商店街の育成を図りつつ、活力のある良好な環境を構築していく事業であり、生鮮三品を含む商業施設の整備にあたっては、店舗の業種や規模などについて、商業施設検討委員会との調整を図りながら進めています。

 
公設小売市場は、地域住民の生活態様と深い関わりがあるため、基礎的自治体である市町村の業務と位置付けられています。したがって、商店の空白地域対策として公設小売市場を設置するかどうかの判断は、地元区市町村においてなされるものです。


 再開発事業を担当しているのは建設局です。しかし、住民が暮らしやすいまちをつくっていくためには、建設局まかせにしておいては住民が求めている課題の解決がすすまないのは明らかです。商業施策などの専門性をもっている産業労働局もいっしょになって取り組むことや、江戸川区や地元住民と協議の場を設け、周知を集めた活性化対策を構築していく必要があると考えます。ご見解をお示しください。


[都側の回答]
 本再開発事業は、江戸川区や地元業者も参画する商業施設検討委員会を設置し、関係局とも連携のうえ、
地域の活性化に取り組んでいます。

 また、長い期間、空いたまま状態の東京都所有の各商業床については、地元との協議にもとづき賃貸方式を導入するなど可能な出店対策の検討を進め、商店街が活力を取り戻す対応が急がれていると考えます。御答弁ください。

[都側の回答]
 商業床の処分は販売によるものとしており、商店街の活性化のため、新たに出店する店舗の業種・規模などについて、地元業者や商業施設検討委員会との調整を図ってきたところです。今後とも、商業団体へのヒアリングや協力要請を行うなど、未処分店舗床の早期販売に取り組んでいきます。


 次に、「商店街お迎えバス」の運行について伺います。

先に述べたように、都市計画道路120号線の開通で、都バスのルートが変更になり、春日町通り商店会と笑和会商店会が取り残される形になりました。ひとつのつながりになっていた京葉道路南側の勉強会通りにとっても「足の確保」が難しくなりました。

 現在、春日町通りでは江戸川区の支援もあって、電線の地下埋設、歩道の拡幅とカラー舗装など活性化にむけての努力がされています。もっと集客力を高めていくための方策として、ミニバスの運行が強く望まれています。

 南側の小松川地域では、通勤通学時間帯に都バスがワンコインバスとして運行されています。しかし、「定時性の確保」という理由で、一部地域に限られています。地域住民は、このバスをコミュニティバスとして、走行本数を増やし、ルートを延伸して、勉強会通りや春日町通り、笑和会などを循環するようにしてもらいたい、と要望しています。住民の生活利便性と商店街振興のために江戸川区と関係局が連携し、「商店街お迎えバス」を実施していただくことを求めます。お答えください。

[都側の回答]
 当該地域におけるバス路線は、都市計画道路120号線の開通に伴い、従来の道路での大型バス運行ができなくなること等から、120号線を運行する経路に変更したもので、一般のバス路線は、既存の路線と重複すること、大型バスの運行ができないこと等から、困難です。
 また、江戸川区からコミュニティバス運行の要請があった場合は、既存路線との整合性、採算性などを勘案しながら、運行にあたっての条件整備等を協議していく考えです。


トップページへ