都議会環境・建設委員会での河野ゆりえ都議会議員の意見陳述
2006年3月22日
〇河野委員 日本共産党都議会議員団を代表して、平成十八年度予算関係議案について意見開陳を行います。
地球温暖化防止の京都議定書が発効して、一年が過ぎました。温室効果ガスは依然として増加し続けています。地球温暖化は、世界じゅうに異常気象をもたらし、東京でも昨年秋の集中豪雨で、区部西部を中心に五千八百四十五棟が床下、床上浸水の被害に遭いました。
地球温暖化を食いとめるには、温室効果ガス、特にCO2の排出を削減しなくてはなりません。そのためには、経済活動優先の社会を見直し、大規模開発に重きを置く都政のあり方を切りかえることが重要です。
東京都の来年度の予算案は、残念ながら、人口減少社会を迎えた中で、人や自然に優しい方向を目指すという時代の要請にこたえたものとはいえません。
都が推し進めている都市再生路線によって都心部に次々と建設される超高層ビルからは大量のCO2が排出され、三環状道路など高規格、大型幹線道路の建設が自動車走行量を増加させ、温暖化と生活環境の悪化を深刻にしてしまいます。
これらの開発は、都財政にも大きな負担をもたらします。二〇〇六年度五十八億円を超える予算が計上された中央環状品川線は、本来は国の事業であるにもかかわらず、街路事業として都が建設に乗り出したことから、総額一千二百五十億円を都が負担することになります。
一方で、都民の命を守る中小河川整備費や温暖化防止に役立つ都市公園の整備、保全緑地の公有化予算などは毎年減額になっています。
このような開発優先のあり方を改め、緑や水などの自然環境を大切にし、都民が健康で心豊かに生活できる施策を充実する都政にすることが求められています。
以下、項目別に申し上げます。
初めに、環境局です。
一、都における業務系など各分野のCO2排出量の削減と、発生抑制基準の目標と対策を早急に策定すること。CO2排出量削減の義務づけを大規模事業者に行うとともに、中小事業者への助成などの措置を講ずること。
一、クールタウンモデル事業を充実させ、オフィスビルの公開空地、屋上、壁面緑化、駐車場などの緑化義務化の導入を含めた手法を検討すること。
一、市街地での緑地保全地域、里山保全地域の拡充に努め、公有化を促進すること。また、区市町村の保全緑地公有化事業を制度化し充実すること。
一、自然エネルギーの利用促進策を策定し、強力に進めること。
一、光化学スモッグは、発生時の自動車の乗り入れ規制など緊急対策を実施し、発生を防ぐための対策を早急に確立すること。
一、東京大気汚染公害裁判の地裁判決を真摯に受けとめ、大気汚染防止対策を抜本的に強化すること。
一、自動車交通総量の規制目標を設定し、自動車交通総量抑制、削減のために、TDMやモーダルシフトなど、総合的対策を講じること。
一、NOx・PM法に対応するため、中小業者の車の買いかえ助成実施や、融資制度を利用しやすいように長期、低利の制度に改善すること。
一、一般環境大気測定局、自動車排出ガス測定局を増設すること。
一、低公害車の開発、普及を都が率先して取り組むとともに、低公害車への買いかえを促進すること。
一、環境アセスメント制度を、複数の開発計画や人的影響などを含めた総合アセスメント制度として見直すこと。
一、環境アセスメントは、都市再生関連事業の特例扱いをやめ、特定地域における超高層建築物の対象を高さ百メートル、面積十ヘクタール以上の基準に戻すこと。また、計画段階アセスの対象規模を十ヘクタール以上とすること。
一、環境アセスの対象規模については条例化するとともに、事業段階アセスの手続は旧条例に準ずること。
一、ダイオキシン、環境ホルモンなど有害物質対策を強化すること。特に、北区豊島五丁目の土壌ダイオキシン汚染については万全の対策を講じること。
一、土壌汚染対策を抜本的に強化すること。
一、水質汚濁防止対策を強めること。
一、騒音、振動対策を強化すること。
一、ディーゼル車排出ガス影響調査や花粉情報、植林のあり方検討など、抜本的な花粉症対策を講じること。
一、希少動植物を保護し、生態系の生息環境を保全すること。
一、環境科学研究所の体制を強化し、研究者の育成を図ること。独立行政法人化は行わないこと。
一、循環型社会の形成に向け、製造段階での発生抑制など、企業責任を明確にした廃棄物減量対策を促進すること。
一、環境管理計画ISO一四〇〇一シリーズ認証取得の徹底を図り、中小企業に対しての取得支援を行うこと。
一、産業廃棄物の企業責任での処理、処分徹底を図ること。
一、一定規模以上の開発計画について、条例で定められた処理施設確保の事前協議制度をさらに強化すること。
一、家電リサイクル、中小業者のリサイクル、再資源化を支援すること。
一、非飛散性アスベスト廃棄物の保管場所の確保及び処理、処分に当たっての支援を行うこと。
一、感染性廃棄物の処理、処分については、安全確保のためにさらなる努力をすること。
一、プラスチック廃棄物を燃やすサーマルリサイクルは、環境や健康への影響が検証されないままでは行わないこと。
次に、建設局です。
一、人口減少社会を迎えるもとで、道路、橋梁、公共施設などのインフラ整備は、維持、更新を中心にし、需要を見据えたものに見直すこと。
一、公有地や工場跡地、未利用地などを活用し、緑を保全し回復させる公園づくりなどを促進すること。
一、環境破壊をもたらし、巨額の財政投入を必要とする圏央道、外かく環状道路、首都高速道路中央環状線の三環状道路建設計画は、都民参加で抜本的に再検討すること。
一、生活環境の悪化が懸念され、都の財政負担をふやす首都高速道路中央環状品川線の街路事業は行わないこと。
一、国直轄事業負担金の廃止を国に強く求めること。
一、国の史跡に指定された玉川上水の貴重な自然を保全するために、放射五号線道路の建設計画は中止すること。
一、環状二号線、晴海通りの延伸、第二期臨海道路など、臨海副都心のためのアクセス道路や広域幹線道路建設は凍結し、抜本的に再検討すること。
一、環状八号線の騒音対策、環境対策は万全を期すこと。
一、住環境悪化の不安で住民が反対している調布保谷線、府中所沢線などの道路建設は、計画も含めて十分に話し合い、建設を強行しないこと。
一、多摩地域などの生活関連道路の整備、特に歩道整備やバリアフリー化などを促進すること。
一、交差点すいすいプラン第二次計画など、交通渋滞解消対策に努めること。
一、自転車専用道や歩道整備など、環境に優しい道路の普及を推進すること。
一、道路舗装の補修サイクルを抜本的に引き上げること。
一、都市計画公園の整備目標を大幅に引き上げるとともに、整備拡充については公的責任で積極的に行うこと。
一、都心部における公園と緑、河川などクールスポットの復活と拡充を急ぐこと。
一、森林再生や市街地における緑の保全と確保、地下水の保全に努めること。
一、都市河川、内部河川の治水対策を推進すること。
一、水害の危険地域について、河川ごとにハザードマップをつくること。また、水害の原因を分析し、即応対策とともに抜本的な解決策を立てること。
以上です。
〇ともとし委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百一号議案、第百三号議案から第百八号議案まで、第百二十八号議案及び第百三十号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。
〇河野委員 日本共産党都議会議員団を代表して、第百五号議案、東京都霊園条例の一部を改正する条例、第百六号議案、東京都葬儀所条例の一部を改正する条例、第百七号議案、東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例、第百二十八号議案、首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意についての四議案に反対の立場から意見を述べます。
第百五号議案は、多磨霊園、小平霊園などの一般、芝生、壁型埋蔵施設の使用料を最高一・五倍に引き上げ、休憩所や売店の土地使用料も一・五倍に引き上げるものです。第百六号議案は、瑞江葬儀所の火葬料及び都民のひつぎ保管料を一・五倍に引き上げるものです。都民の貧困化と格差拡大が社会的問題になっている今、都民に負担増をもたらす条例改正には賛成できません。
第百七号議案は、固定資産税評価額の変動などで生活関連の河川敷地占用料が減額になっていますが、中央区や港区など都心部の一級地は引き続き値上げです。原油高の影響も受けて営業が苦しい中小零細業者の負担が重くなり、一般家庭の橋や階段の使用料も引き上げになりますから、反対です。
第百二十八号議案は、都の財政負担がふえる中央環状品川線などが新設路線とされており、同意できません。
以上です。