小松川再開発などに伴う移転貸付金などについて

都議会環境・建設委員会での河野ゆりえ都議会議員の質問

2005年3月18日

 

 

〇河野委員 三点にわたって伺ってまいります。
 初めに、東雲一号線、晴豊一号線の建設と首都高速道路公団の建設の問題についてお伺いをいたします。
 おととしの予算特別委員会で、我が党の木村陽治議員が、首都高速晴海線と放射三四号線で、晴豊一号橋などの基礎工事が一体になって行われていて、その工事費は東京都が負担しているという問題を質問いたしました。この質問に対し、財務局長は、地方財政再建促進特別措置法上適正でないと判断し、首都高速道路公団と協議を行っているという旨の答弁をされて、そして石原知事も、都としても不本意な契約であり、正当な分担になるように努力いたしますとお答えになりました。木村議員は、首都高速道路公団にこのような形で都が工事費全額負担しているのは、法律が禁じている首都高速道路公団への寄附行為に当たるのではないかということを指摘し、知事も同じ考えであることを表明されたわけです。
 ちょうどあれから二年が経過いたしましたが、首都高速道路公団と東京都との協議はどのように進んできたでしょうか。これまでの経過を含めてご説明をください。

〇依田道路建設部長 放射三四号線の橋梁でございます東雲一号橋と晴豊一号橋の首都高速道路公団負担につきましては、平成十五年十一月に、東京都と公団それぞれが負担することで合意しております。
 また、その後も精力的に公団と協議をしてきた結果、昨年の十二月に、都の負担を百三億円、公団の負担を三十三億円とすることや、公団の支払い時期を晴海線の橋げたを架設する時期までとすることで最終的に公団と合意しました。
 さらに、この合意に基づきまして、本年一月には、既に東雲一号橋の下部工事にかかわる約六億円の公団負担が都に納入されております。

〇河野委員 都が百三億円で、首都高速道路公団が三十三億円の負担ということなんですが、この負担割合を算定する考え方、基準についてお答えをください。

〇依田道路建設部長 都と公団の負担金額の算定方法といたしましては、都の橋梁と首都高速晴海線の橋梁の基礎として建設されている一体構造物をそれぞれ別々に建設した場合の仮の工事費用を算出し、その工事費の割合により一体構造物の建設費用の負担金額を定めてございます。

〇河野委員 そういう形で三十三億円という金額が算定されて、東雲一号橋の分が六億円入ったということなんですが、それにしてもまだ二十七億円という金額が残っているわけで、ご答弁では、晴海線の橋げたを架設する時期までということでお金が入ってくるということなんですけれども、これから首都高速道路公団が残りの負担を払う、その時期とか計画とかというのはどういう状況になりますか。

〇依田道路建設部長 残り二十七億円の公団負担の対象となっている晴豊一号橋は、都市整備局の所管ではございますけれども、負担につきましては、先ほど申しましたように、公団と合意した内容に基づきまして、晴海線の橋げたが架設される時期までに都に納入されることになっております。

〇河野委員 私は、どれくらいの年度を見通してそういう約束がされているのかお聞きしたかったんですが、それは工事の進捗状況に合わせてということかなとは思いますので、また順次、そういう意味でもご報告いただける場があったら、議会にもご報告をお願いしたいと思います。
 都はこれまでも、首都高に無利子の貸し付けを行ってきたり、また、国の直轄事業の問題でも多くの負担をしてまいりました。こうしたお金は本来東京都が負担しなくてもいいものなんですけれども、ご答弁いただきましたように、晴豊一号橋と東雲一号橋は、我が党の調査などにもよりまして、首都高速道路公団が負担すべきものが明確になるという結果が出ました。今後、都は予算の執行に当たって、こうした首都高速道路公団への出費や、あるいは国直轄事業負担金について、本来あるべき姿に改善するべきである、そのための努力をするべきであるということをこの機会に申し述べておきたいと思います。
 続きまして、指定管理者制度について質問をいたします。
 指定管理者制度の導入のための条例改正案が、建設局所管で駐車場条例、葬儀所条例、霊園条例が出ておりますけれども、私は江戸川区に住んでおりまして、瑞江の火葬場がすぐそばにあります。したがいまして、葬儀所、霊園条例の改正案を中心に質問をさせていただきます。
 施設を利用する都民は、公益性、公平性、広域性といった、公の施設ならではの運営を求めております。自治体直営か、指定管理者制度の導入かが迫られる中で、施設の管理運営は自治体が直営で行ってほしいと望んでいる都民は少なくありません。条例改正案が出されている葬儀所や霊園などは、一人一人の人の命の終わりの場所であり、個々の人の生きてきた尊厳やプライバシーにも深くかかわってくるために、特別の配慮がされなくてはならない施設だと考えています。
 そこで、具体的にお伺いをいたしますが、指定管理者を選定する建設局の仕組みはどのようになっているのでしょうか。基本的に選定委員会の判断になるということなんですけれども、建設局の場合、都立公園、霊園、葬儀所、駐車場など施設の種類もさまざまあり、都内全域に配置されております。それぞれの施設に対して、選定委員会はどういう考え方によって設けられ、そして任を果たしていくのか、その仕組みについてご説明をお願いしたいと思います。

〇内海公園緑地部長 総務局の出しました指針によりますと、選定委員会は各局ごとに設置をするということになってございます。しかしながら、私ども建設局におきましては、先生ご指摘のように、公園関係の施設、それから駐車場の施設というふうにございますので、それぞれの部ごとにと申しましょうか、設置をするつもりでございます。
 指定管理者の選定に当たりましては、選定基準に基づきまして選定委員会で審査を行ってまいりますが、公園関係の施設につきましては、公園緑地部における設置要綱を根拠に選定委員会を設置いたしまして、公園緑地行政などに精通した専門性ある外部委員を含めることとしております。

〇河野委員 指定管理者制度に期待されている主な効果ということで、コスト削減ということが挙げられております。施設の管理運営に対してのコストを削減するということは、結局、利用する都民の人たちへのサービスの低下につながってしまうのではないかという声もありますし、都民が負担する施設利用料、施設の利用の料金引き上げになる可能性も含まれております。
 料金は、条例で額が定められているということなんですけれども、料金を改定するということでの条例改正が行われることもあり得るわけですから、現行の料金が守られるという保証も十分にあるとはいえません。また、コストを下げるために、施設で働く労働者の賃金が切り下げられるという問題も起こってくるのではないでしょうか。
 瑞江葬儀所の例でいえば、民間事業者に任された場合、これまで公園協会に雇用されてきた労働者は仕事を失うということも予想されます。瑞江葬儀所の場合、近隣の住民が働いてきた場所でもあるんですけれども、民間委託になった場合には、地域住民の働く場がこれまでどおり守られるのだろうかという疑問も出されています。
 サービス水準の切り下げは起こらないのか、利用に当たっての料金の負担増は心配ないのか、そして労働者の賃金や雇用の問題などどうなっていくのか、こうした指定管理者制度によって多くの問題が心配されております。局は、こうした疑問、不安についてどのように認識をされてこれから対応されていくおつもりでしょうか、お伺いをいたします。

〇内海公園緑地部長 まず初めに、サービスの問題でございますけれども、指定管理者の選定に当たりましては、質の高いサービスの提供や効率的な管理運営などについて評価を行い、その能力を十分検証することで利用者サービスは十分に確保できるというふうに考えてございます。
 また、料金の点でございますけれども、葬儀所における料金は、条例や規則において規定をされまして、指定管理者が条例や規則の額を超えて徴収することはできず、利用者の負担増は発生はいたしません。また、条例を変えるということになれば、これは当然ながら議会の議決をいただくということになろうかと存じます。
 なお、民間事業者におけます雇用問題については、都が関与する問題ではないと考えております。

〇河野委員 わかりました。でも、地域ではそういう声がありますし、料金改定についても、今後の推移を見なければ、大丈夫ですといえない状況があるのではないかとは思っています。
 施設の管理運営を行う指定管理者と設置者の東京都の役割はどういう形になるのかについてもお伺いをしたいと思います。
 例えば瑞江葬儀所の場合は、お骨を焼く炉があります。メンテナンスも頻繁に求められるという施設です。条例改正案では、維持及び修繕に関する業務を指定管理者が行うという条文が書かれてありますが、施設設置者の東京都と指定管理者の維持管理、この役割分担、明確な考え方が今の段階で決まっているのでしょうか。また、あわせて、もし施設を利用する場合に、都民からの苦情があった場合などは、その責任の所在についてどういう形で対応が行われていくのか、あわせてお答えいただければと思います。

〇内海公園緑地部長 瑞江葬儀所を例にいたしますと、火葬炉や排煙設備改修など大規模な施設改修は都が行うことといたしておりまして、樹木の手入れでございますとか電気器具の補修など日常的な施設の維持管理は指定管理者の業務といたしております。
 また、地元の住民の方々からのいろいろな苦情等につきましては、その性質によりまして、指定管理者が対応するものと私どもが対応するものということでございます。

〇河野委員 私は昨年の委員会でも申し上げましたけれども、今、経済界では指定管理者制度は大きなビジネスチャンスであると位置づけて、どう参入していくかについて検討を重ねています。三菱総合研究所が中心のパブリックビジネス研究会は、指定管理者の選定は、実績や地元優先などということは考慮から外しなさいとか、こういうことを国や自治体に提言しているのは前の委員会で申し上げました。それだけでなくて、対象事業を拡大して、道路、河川、公園などにも対象を広げよ、さらに図書館、博物館など、個別の法律によって管理運営される施設についても規制を緩和して対象を拡大せよと、こういうことが国や自治体に要請がされてきているわけですね。
 地方自治体の施設は本来、住民全体の財産であります。ここを市場原理による競争の場、営利追求の場に変えていってしまうというようなことは認めがたいものがありますが、経済界からのこうした規制緩和を求める強い要求に対して、東京都は、都民の立場に立った施設の管理運営、この立場を貫く必要があると思うんですが、この関係で都がお考えになっていることをお示しいただきたいと思います。

〇内海公園緑地部長 公の施設の管理運営は、法令や条例を根拠に、適正に行う必要がございます。指定管理者の導入には、またその指定に当たりましても、議会の議決を要します。民間事業者による公の施設の管理については、これら法令等にのっとりまして、適正に対応してまいります。

〇河野委員 今回の条例が改正された場合に、葬儀所、霊園にもし指定管理者を導入するということになった場合にどうなるかという問題についても伺っておきたいと思います。
 これまで公園協会が実績を重ねて、専門性も有するということで、公的セクターとしての役割を果たしてこられました。霊園や葬儀所への指定管理者制度導入に当たって、こうした実績、専門性を培ってきた公的なセクターを選定すること、これは都民も求めている問題だと思うんですが、どのような方針をお持ちでいらっしゃいますか。

〇内海公園緑地部長 指定管理者の対象は、民間事業者などが幅広く含まれ、その能力やノウハウを公の施設の管理運営に活用していく制度の趣旨から、指定管理者の選定に当たりましては、公募が原則となってございます。

〇河野委員 公募が原則ということで、民間事業者が、これから先指定管理者に選定される可能性も非常に強いということが瑞江の場合でもいえるという趣旨のご答弁だったと思いますが、瑞江火葬場についていえば、地域住民の人たちの、先ほどご紹介したような心配、いろんな要望もありますので、ぜひ受けとめていただけるようにお願いをしておきたいと思います。
 指定管理者制度は、もともと民間活力の導入と規制緩和ということで、これまで自治体が責任を持ってきた公の施設に、市場競争原理が持ち込まれようとしているものであります。今、経済界は、自治体の施設だけでなく、国や国立行政法人も対象にして市場化テストを行えと迫っております。公の施設の多くは、住民と深くかかわり、生活を支える、営むという上でも欠かせないものであります。利潤第一の市場原理の持ち込みでなく、サービス推進の維持と向上、そして地域経済にとっての雇用確保の問題などが重視されなくてはなりません。私たちは、一路、指定管理者制度導入という、そういう方向に進んでいくということについては認めがたいものを持っているということを述べておきます。
 三つ目の質問に移らせていただきます。移転資金貸付金についての質問です。
 建設局が担当されている移転資金貸付金は、こうしたわかりやすいパンフレットなども発行されまして、都民に利用されております。東京都施行の区画整理や防災拠点づくりの再開発、道路建設など、江戸川区でも事業が進められておりますが、これにかかわった区民の方が活用されているわけです。
 私は、区内の小松川地区の再開発事業とも関連いたしまして、この移転資金貸付金について、何点か質問をいたします。
 最初に、小松川地域の状況をちょっとお話しさせていただきます。
 小松川地域の再開発事業は、ご存じのように亀・大・小と呼ばれて、江東区の亀戸、大島、そして江戸川区の小松川地区、合わせて約九十八・六ヘクタールの市街地の再開発事業が行われてきました。これは、昭和五十年、一九七五年に都市計画決定がされてから今日まで、数えて既に三十年の歳月が過ぎております。
 再開発事業地区内の住民は、住まいや店舗の移転確保のために、東京都の移転貸付金制度を活用して、今生活を営んでいるわけです。江戸川区の場合は、この東京都の移転貸付金制度とあわせまして、区が行っている同じようなまちづくりのための貸付金制度も活用できるということがあります。
 昭和五十年代から始まったこの再開発事業、長い時間がかかっていますが、事業の終了年度は平成十八年度とされておりますが、今まちの様子を見ますと、まだまだこの再開発事業、完成というところでは遠いものがあるというような実感を持っています。
 この再開発事業の中で、長い厳しい不況の影響を受けまして、商店の皆さん、自営業者の皆さんは営業不振に陥り、またはリストラや解雇などで生活が苦しくなり、移転資金の貸付金の返済に困難を来してきた人たちがふえております。
 もともとこの移転貸付金制度は、区画整理や再開発、そして道路、河川、公園整備で事業地区内から立ち退きをしなくてはならなくなった場合に、移転のためのお金が足りない、移転資金の調達が困難な地権者などに都が直接貸し付ける制度であります。
 そこで伺いたいのですが、東京都の移転資金貸付金全体の貸し付けの状況と、現在の滞納者の状況についてお示しください。

〇矢口用地部長 道路など公共事業の施行に伴いまして移転等が必要となった方々に対しまして、生活再建を助成し、自主的な移転を促進するため、移転資金貸付条例に基づきまして移転資金の貸し付けを実施しているところでございます。
 平成十六年十二月末現在の貸付債権総額は約百四十七億三千万でございまして、このうち滞納額は約十六億一千万でございます。また、借り受け者数は千四百六人、このうち滞納者数は四百十四人でございます。

〇河野委員 借り受けた方と滞納者の比率を見ますと、三分の一ぐらいの方が滞納という状況になっているということが、今のご答弁でわかりました。
 都は、本当に厳しい不況等で都民の生活が苦しいという現状は十分理解されているとは思いますが、その実情も踏まえて、滞納者になってしまった方々の滞納額を減らす、その努力はどのようにしていらっしゃいましたか。

〇矢口用地部長 景気等の影響によりまして、償還金を返還できない借り受けの方々が毎年増加しまして、それに伴い、累積滞納額が平成十四年度末には約十九億八千万までに達しました。そのため、貸付金は都民の貴重な税金を原資としておりますので、滞納金を早期に解消しまして、健全な運営を図り、本来の目的でございます公共事業の助成措置としての役割を果たす必要がございますので、平成十五年度から、累積する滞納額の早期削減に取り組むことといたしました。

〇河野委員 平成十五年度から累積する滞納額を早期に削減する、そういう対策をとられたということなんですけれども、そこで私は伺いたいのです。
 これは、去年の十一月十六日の「都政新報」の切り抜きのコピーです。ここに、東京都が移転資金貸付金累積滞納に歯どめということで、半減計画目指してサービサー委託で効果を上げているという記事が載っております。この記事を見て、いろいろ思うんですけれども、このことは端的にいえば、東京都は、移転貸付金の累積滞納の回収を都が行うのではなくて、民間会社に委託して、そして半減計画が順調な滑り出しと、こういうふうに見出しがついているように、成果が上がっているという報道を行うような状況が今、これは去年の十一月の新聞ですけれども、こういうことになったんだと思うんですね。
 このサービサー委託というのはどういうものなのかなと、私もよくわからなかったので調べたんですが、一九九八年に施行された債権回収業法というんですか、サービサー法といわれているようですけれども、この法律によって、都は、移転貸付金の回収に民間会社の参入を認めたということになると思うんです。
 これは、このような方法をとった自治体は東京都が初めてということでありますが、現段階では、昨年から大阪府でも始められているということで、全国でもたった二つの自治体が、このサービサー法による貸付金の回収に当たっているということになっているみたいです。
 問題は、都が民間に委託をして回収を始めたということで、どんなことが起こっているかということが重要だと思うんです。小松川再開発地区の借り受け人の人たちは、この都から委託を受けた回収会社から厳しい取り立てを受けて、大変つらい思いをされております。ある人は、民間は民間なりの取り立てをしてくる、都の対応とは全く違う、連帯保証人にいきなり督促通知を出されて保証人から文句が寄せられて、本当に人間関係も崩れてしまうような状況で、保証人に、自分たちに断りなく急に督促請求を送りつけるのはひどいんじゃないか、こういう声があるわけなんですね。
 東京都が施行した防災拠点づくりの市街地再開発というこの小松川地区の公共事業によって移転を余儀なくされた人たちの、都が貸し付けたお金の回収を、どうして民間会社に委託しなければならなかったのか、このことについてご説明をお願いいたします。

〇矢口用地部長 都民の血税であります累積する滞納額を削減するには、滞納している借り受け者の状況を十分に把握しながら、面談などによりまして、借り受け者の自主的な償還努力を促すことが重要であります。
 このため、債権回収に関する豊富な経験とノウハウを有します民間の債権回収会社を活用して、借り受け者の生活再建の相談やトラブルを解決しながら、きめ細やかな対応を行うこととしたものでございます。

〇河野委員 債権回収会社は、貸付金を借りて、そしていろいろな事情でやむなく滞納になっている人たちにどんなことをいっているかというと、もう競売にかけなさいといったりするわけですね。それから、でなければ任意売却はどうですかとか、あるいは、私は直接伺いましたけれども、娘さんとお母さんが細々と食堂を営んでいる人に対して、もう自己破産してお店閉じちゃいなさいとか、そこまでいっているわけなんですね。
 これは私、ホームページからコピーとってきましたけれども、全国でもよく知られている、区内にありますフリースクールの方が発表されているホームページなんですけれども、この方も小松川の防災拠点の中に住んでいたんです。
 このフリースクールの運営者の方は、防災地区として立ち退きを迫られ、東京都建設局の貸付金にて移転しましたが、返済が年々できなくなって、返済方法の見直しをお願いしましたが、一切受け付けてもらえず、現在に至りましたと。毎月払える分だけでも返済は続けておりましたけれども、昨年、平成十五年のことですね、債権回収会社の手に移って、即競売の話になってしまいました、十五年前の金利の変更も全くしてもらえないし、延納も認められませんというようなことが書かれているんですが、これまで回収会社に委託する前は、東京都の再開発事務所が窓口になっていて、そして地域住民のそういう生活の困難なんかにも丁寧に対応されてきたという経過がある中で、おととしから急にこういう変化が起こっているわけなんですね。
 本当にこういうつらい思いをされている方が地域にはいるわけなんですが、民間会社の回収請求のすさまじさに、本当に心が傷ついたというような言葉もたくさん聞きますし、都はこうした状況をつかんでおられるのか。そして、債権回収会社に委託したときに、どのような指導を会社に対して行ってきたのか。公共事業に協力したこれまでの住民の犠牲、努力などについて、会社側にきちんと説明をされてきたのか、そういう点についてもお伺いをしておきたいと思います。

〇矢口用地部長 債権回収会社は、債権管理回収業に関する特別措置法に基づきまして、法務大臣の許可を受ける必要があります。また、同特別措置法に基づきまして、人を威迫すること、平穏な私生活や業務を妨害すること及び暴力団員が従事することを禁止するなど、業務に関する厳しい規制が設けられてございます。
 また、都といたしましては、委託契約に際し、特記仕様におきまして、交渉時間帯の制限、法令に違反した場合の業務改善指導の規定を設け、指導を行ってございます。
 さらに、借り受け者からの相談や苦情に対しましては、私ども都の職員が直接対応しまして、借り受け者の状況や要望を把握するとともに、その内容を債権回収会社に速やかに伝え、的確な対応を指導しているところでございます。

〇河野委員 いろいろと会社側とも、法に基づいて適正な対応がされるように努力をしているというようなご答弁かとは思います。しかし実際には、厳しい取り立てで、本当にこれから先の生活をどうしていったらいいのかと、展望が見出せずに困っている人がいらっしゃいます。こうした現在の段階で償還が困難になっている人たちに対して、これから都としてはどのような措置を講じて救済策を考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。

〇矢口用地部長 借り受け者が地震などの災害を受けたとき、あるいは傷病により収入が減少したとき、あるいは極度の営業不振に陥ったときなどの償還が困難になった際には、まず借り受け者からの要望を受けまして職員が面談して、収支の状況などを調査し、償還計画について相談に応じてございます。その後、償還が著しく困難となった場合には、条例に基づきまして、一定期間の徴収猶予や償還期限の延長、さらに元利金が完済されたときの延滞金の減も行ってございます。

〇河野委員 そういう都としての配慮ある対応があるということも、住民の方にきちんと伝わってないというのもあるんだと思うんですね。だから、本当に延滞金がたくさんになって、どんどんどんどん膨れ上がって、どうしていったらいいのかわからないということもありますし、それから、今ご答弁にありましたように、本当に極度に営業が困難になった場合には、そういう措置がありますよということなんですけれども、これは本当は、昔というか去年までは建設局が所管されていた再開発事業ですよね。今、都市整備局に移ってしまいましたから、この問題とあわせて、東京都がどうしていくのかということで、この場では論議できませんけれども、ぜひ都市整備局の方ともご相談をいただきながら、あの地域のまちの活性化が進められない限り、商店の皆さんなどの営業は救済されませんので、その辺の対策方もあわせて求めておきたいと思います。
 江戸川区のまちづくり資金が、先ほど、同じような制度がありますよということをお話ししたんです。その江戸川区のまちづくり移転貸付金というんですか、そういう条例がつくられていて、これも住民の方が利用されておりますが、区の場合は、延滞利子は七・三%という率なんです。一方で、東京都は一四・六%と設定されています。結局区が行っている貸し付けの二倍の延滞利子が、滞納が発生した場合には地権者や住民の皆さんの負担にかかっていくんですけれども、一四・六%というのは余りにも高いのではないか、こういう声がすごくあります。せめて区並みに都が引き下げるということはできないのかという意見もあるんですけれども、これはどうでしょうか。

〇矢口用地部長 国民年金法に基づく保険料など公的な債権に係る延滞金は、国税通則法あるいは地方税法に定める一四・六%を例としてございます。
 都が徴収する使用料等に係る延滞金については、東京都分担金等に係る督促及び滞納処分並びに延滞金に関する条例に定めておりまして、その率は一四・六%となってございます。移転資金貸付金におきましても、同条例に基づきまして、償還金の弁済を行った場合の延滞利子を一四・六%と定めているところでございます。

〇河野委員 これからの方向はちょっとお答えはいただけなかったんですが、特に小松川地域の問題について、あと何点か具体的に伺いたいと思います。
 小松川地区内におきましては、この東京都の移転資金貸し付けを受けた方がどういう状況か、そして滞納はどんな状態になっているのか、小松川の状態について、現段階でのものをお示しください。

〇矢口用地部長 小松川地区におけます平成十六年十二月現在の貸付債権総額は、約四億六千万でございます。このうち滞納額は約九千万、借り受け者数は五十三人、このうち滞納者数は二十六名でございます。
 なお、一括繰り上げ償還など償還を終了された方々は、この十三年から十六年までの四年間を見ますと、三十二名の方がおります。

〇河野委員 滞納者の方と借り受け人の比率を計算すると、借り受け人五十三、滞納者二十六というお答えでしたので、先ほどの東京都全体の借り受け人と滞納者の比較が大体三分の一ぐらいが滞納ということでは、小松川地区の場合の方が、やっぱり滞納になってしまった方の比率が高いのだなということが今わかったんですけれども、より本当に困難に向き合っているという地区内の人たちのご苦労を、改めて都も受けとめていただきたいというふうに思います。
 先ほどご説明の中で、償還期間の延長などの特例措置があるとのお話がありましたけれども、この直近三年間で、小松川地区内で特例措置、これはどのような実績になっているでしょうか。

〇矢口用地部長 小松川地区の借り受け者のうち、過去三年間で償還期限の延長を行ったものが一件、延滞金の減免を行ったものが一件、徴収猶予を行ったものが一件、計三件ございます。

〇河野委員 それぞれ一件ずつで、本当にまだこういう特例措置で生活再建に踏み出している方というのがわずかだということがわかるわけですね。私は、東京都が、公共事業に協力して頑張ってきた住民の人たちが将来に向けて希望を持って生活再建に踏み出せるように、丁寧に相談に乗って支援していただくように求めておきたいと思います。
 それから今後の問題なんですけれども、これから先、新たに償還困難者が出た場合には、今民間の債権回収会社がやっているように、競売というようなことなどをほのめかしたりしないで、本当に一方的な競売などを強要するようなことがなく、借り受け人の実態や要望を十分に聞いて、支援に向けての対応をしていただきたいと考えるものなんですけれども、そこもご答弁をお願いします。

〇矢口用地部長 償還が困難になった場合でございますが、まず、借り受け者の自発的な返済の努力を尊重しながら、債権の回収を円滑に行うことを基本としてございます。
 借り受け者から要望がある場合には、都が直接その営業の実態や収支の状況、生活費の実態などを調査し、十分に相談しながら、さらに徴収猶予や延滞金の減免の要件に該当する場合には適切に対応し、借り受け者のよりよい生活再建となるように努めてまいります。

〇河野委員 では、この問題で最後に要望を含めて意見を申し上げておきたいと思います。
 お話ししてきましたように、公共事業に協力した人たちが払ってきた本当に大変な犠牲、苦労をしっかりと受けとめていただきたいと思います。「都政新報」によれば、成果が上がっていると評価しているわけなんですけれども、「都政新報」は、二〇〇三年度で滞納者四百十九人、そして今年度ですか、何か十人の人たちに競売の声をかけるみたいなことも書いてあるんですね。本当に私は、この四百十九人という滞納になっている人たちの数字を見ながら、この数字の向こうには、一人一人の人たちの困難な生活、営業の実態が見えてくる思いでいっぱいです。
 民間会社に回収を任せるということ自体は、大きな問題があると考えます。事業を始めた都が最後まで責任を持ってほしい、これも切実な住民の要望の一つであります。住民の人たちは怠けていて返していないのではなくて、本当に営業、生活が困難になって償還できないという状況なのですから、この都民を見守っていく、支援するための努力が今求められていると思います。
 あわせまして、移転資金貸付金の改善についても申し上げたいと思います。
 延滞利子一四・六%の問題もあります。これは余りにも高い利率なので、償還がおくれた人に、生活再建に向けての展望を失わせる結果を招いております。また、元金に対する利子は、その人一人一人の借りた時期によって差があります。条例上は五%と利子は設定されておりますが、その年々で四・五%、四%、二・八%、現在は一・五%と、それぞれ経済情勢によって変わってきているようなんですが、利子が高い時期に借りた人たちは、利率についても今の経済情勢に合った都の見直しを求めておりますので、この点もぜひご検討いただきたいと思います。
 そして、「都政新報」は、この記事の最後に、これから借り受けた人たちがお金が払えなくて、そして資産を競売や任意売却で処分しても負債が残った場合には、連帯保証になった人たちにどこまでも責任を追及していくのか、これがいいのかどうかということも、今後検討が必要じゃないかということを問題提起しております。こうした私が今お話ししましたような問題について、住民の立場に立った検討が急がれていると感じております。
 サービサー法は、もともとこの法律ができた大もとの原因は、銀行の不良債権の処理の加速、このことでつくられた法律であって、地方自治体の施策の中にこれを持ち込んでくるのはふさわしいとは思えません。委託している方針を撤回するように私は強く求め、質問を終わります。
 以上です。

 

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